現在は様々な働き方があり、自分の生活に合わせて仕事を選べる環境が整っています。とはいえ、依然として人気なのは安定した収入を得られる正社員です。派遣で働いている人の中には、「これから正社員になるのは無理だろう」と諦めている人もいるかもしれません。そこでおすすめしたいのが紹介予定派遣です。
紹介予定派遣とは、派遣期間が終わった後に派遣先と直接雇用契約を結ぶことを前提とした働き方です。派遣期間がいわゆる「試用期間」になるイメージです。試用期間なので、企業側の判断で直接雇用を断られる可能性はありますが、その職場が合わないと思ったらこちらから断ることも可能です。紹介予定派遣なら通常の転職活動にかかる時間や労力を大幅に省くことができますし、事前に職場の雰囲気を知ったうえで直接雇用契約を結べるので安心です。
通常の派遣と紹介予定派遣の違いを知るうえで大前提として理解しておきたいのが、「派遣期間後に直接雇用で働くことを前提としているかどうか」という点です。通常は派遣会社から派遣される人材として業務に取り組みますが、紹介予定派遣の場合は直接雇用前の試用期間として働きます。
まず、事前面談の有無についてです。通常の派遣の場合、派遣先と派遣を希望する人材が事前面談をすることが禁止されています。しかし、紹介予定派遣の場合は履歴書の確認や面談が実施されます。今後直接雇用になることを前提としているため、就業前に選考する必要があるからです。
次に、派遣期間の違いです。通常の派遣は派遣期間が定期的に更新されます。そして、最大3年以内と法律で定められています。紹介予定派遣だと、派遣期間は最長でも6ヵ月です。試用期間として考えた場合、通常の派遣のように3年以内だと長すぎるためです。派遣期間終了後に直接雇用契約を結ぶかどうかを判断しますが、直接雇用をせずに通常の派遣としてそのまま働かせることは禁止されています。
最後は、直接雇用の際に行う手続きの違いです。企業側が派遣社員を正社員として迎えたいと考えた場合、通常の派遣だと派遣期間が終わるまで待たなければなりません。しかし、紹介予定派遣の場合は直接雇用が前提のため、派遣期間中でも直接雇用に切り替えることができます。ただしその場合は、派遣会社に対してもともと予定していた期間分の手数料を支払う必要があります。
以上が、通常の派遣と紹介予定派遣の違いです。